家に住む仕事

新しい家賃の払い方について表現を試みてみたけど、カネに落とし込んじゃいけない気がする。

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「住み込み」という働き方がある。

リゾートバイトなんかは、少しイメージに近い。
宿泊サービスを提供しつつ、自分も同じ建物に宿泊して過ごすわけだ。

概念的には、労働と費用は分離している。
たとえば15万円分働いて、3万円が税金と社会保険に消えて、
寮費水道光熱費として5万円を支払い、食費を2万円支払うので、5万円を現金で受け取る。
実務的には、住み込みで働くと、三食個室つきで5万円のお金も貰える、みたいな感じだ。

でもこれは、あくまで15万円分の労働と引換である。
時給千円で月150時間拘束されて、受付やら清掃やら配膳やらをやるってことだ。

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これをもう一歩推し進めて、フレックス制の住み込み労働というものを考えてみる。

たとえば修繕。DIYで雨漏りを直すとか、放置してた家を住めるようにするとか。
この場合、報酬の算定基準を時給ベースで考えるのは難しいので、
「その家が修繕された事によって、いくらで貸し出せたか」というので、
労働の価値をはかる事になる。放置されてた家を月5万で貸せたら、売上5万円の価値だ。

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このとき、他人に貸さないで、自分が家賃5万円を払って住んで、5万円の価値だと言い張れるか。
ちなみにこの理屈だと、家賃を1億円に設定して、年商1億円と言い張ることも出来る。
その場合は、1億円に相当する税金を払わないといけないし、
そこに住む以上、家賃の1億円を丸ごと経費として計上することは出来ないと思う。
ここが、「居住=労働」にならない、現行法の壁なんじゃなかろうか。

あとは単に、隣の人が5万円で住んでいるから、という理由で、
隣の部屋を借りる人が、5万円という金額設定に納得するとは限らない。

つまり、このロジックだと、「自分の住む部屋を直したこと」をお金に換算することは出来ない。
自分の住む部屋じゃなくなった(=他人が借りる)タイミングで、初めて評価額が確定するのだ。

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だから、同じアパート内に、「人に有償で貸す部屋」が存在する必要がある。
売上さえ立てばいいので、賃借だろうがイベント貸しや民泊だろうが、手段は問わない。

最初の目標は、自分たちの水道光熱通信費をまかなうことだ。
一部屋で済んだとして、まあざっくり3万くらいだろうと思う。

次の目標は、次年度以降も同じ条件で物件を貸して貰うこと。
これはたとえば、3万の売上を、3万の支払いに充当するだけでは成り立たない。

たとえばオーナーと売上を折半しましょうって契約にして、
6万を売り上げて、3万で生活費を支払って、3万をオーナーに献上して、
「3万儲かったので、次年度も続けさせてください」というなら、商売としての理屈は通る。
(その場合にはリフォーム計画による楽観的な収益予測と比べられる事になるのだろう)

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そうなると最大の障壁は、「自分たちが過半数の部屋に住んでいること」になる。
自分が住んでいる部屋は収益を上げないので、負債にしかならないのだ。

なので、個室が欲しいとか、一人で住みたいとか、要望が膨らむほど、
一年後に実を結ぶ可能性は少なくなってしまう。
「個室が欲しい」とすると、2Kをリビングにして、一人一部屋を割り当てた時点で、
収益源として使える部屋は最大で3部屋しか用意できないことになる。

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なので何とか発想の転換をして、俺らが住んでいるという事実そのものを、
負債から資産へと変えていかなければならない。

賃借で儲けるなら、
「この辺の相場家賃は5万。この物件の価値は3万。
 でも、こいつらと一緒に住めるんなら倍の6万払うわ」
みたいな人が居住者の半数以上にならないと、採算が合わない。

あるいは賃借以外の方法で、賃借よりも高収益をあげるかだ。

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もう二つ問題があって、彼にはその価値があっても、俺には無いってこと。

そして、それは俺に限らず、他拠点に軸足を移す住人にとっても課題になるということだ。

5万だろうが3万だろうが、物件に価格をつけた時点で、それは居住者全員のノルマになってしまう。
これは、シャワーとトイレに賽銭箱をつけたとしても同じことだ。
それならまだ、料理教室を開いてカネを取った方が、居住者とお客さんの線引きは明確になるだろう。

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「新しい生き方」という可能性からだいぶ離れてきた気がするので、一旦ここまで。

ベンチャー起業するときに、事業計画から入ると失敗すると思っている。
今はまだ、マネタイズについて考えるタイミングじゃないんだと思う。
もっと手探りで色々模索しないと何も見えてこない、と思った。

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