なぜ移住男子に「夫婦」を求めるのか

地域の問題をジブンゴトに落とし込めていないんじゃないかって話。

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(追記)
ボスに叱られたのでタイトルをマイルドに変えました。毎度すんません!

もちろん女性蔑視する意図で書いてたんじゃなくて、
独身男性に対して、内見が終わったあとで、「夫婦じゃないとダメ」と断るのは、
結婚して子供を作ることを要求してるって事で、やや身勝手だよね、と腹が立ったのでした。

別に、放置していた家を人に貸す話を進めたあとで、
やっぱり勿体なくなって撤回したくなったって、正直に言ってくれるのは良いんです。
空き家の価値を見直すっていう成果を地元の人に与えるのも移住施策の価値の一つだから。

でも、断る言い訳として、相手の弱いところを探してあげつらうのは、陰湿だと思う。
しおりんも「だったら私が夫婦で名乗り出たら貸してくれるんですかね?」って言ってたぞ。

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来月から住む家を探している。
候補が16軒あるが、何軒かは既に締めきられた。

別の入居者が決まったんでごめんなさい、ってのは普通にわかるけど、
「夫婦に住んで貰いたいから無理です」って理由をつけられたケースが2件も出た。

見学する前に夫婦じゃないってことが伝わってないとしたら問題だけど、
それでも、会ってる時はニコニコしてて、あとで断るってのは、意地が悪い気もする。
見せて貰えるだけ有り難いけど、こっちはぬか喜びだよね。

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そもそも「夫婦に住んで貰いたい」というのは、ゆるい移住の施策とだいぶ乖離している。
本気で言ってるんなら、体験移住は夫婦を作るためにやらないといけないな。
お見合いへの参加を強制させるとか、地元民との結婚を前提に移住するとかさ。

そうじゃないってことは、家を提供してくれる人が、移住施策を理解していないわけだ。
つまり、人口減に対する危機感がまだ無いんだと思う。

そりゃどんな田舎だってさ、旦那さんが年収1000万以上あって、
可愛い奥さんがポンポン子供産んでくれて、家賃も税金も町内会費もたっぷり払ってくれて、
地域の先住民の言うことを何でも従順に聞いて、お年寄りのために奉仕してくれて、
という姿勢を、自分たちが死ぬまで永遠に続けてくれる、
そんな移住者がたっぷり来てくれればいいと思ってるんだろうけど、ありえねーからな!

ゆるい移住は、全国の移住施策の中では大成功と言えるような人数で、
19人の希望者と17人の参加者、最終的には10人前後の実質的体験移住者を獲得した。
よそだと二泊三日の観光旅行みたいな人も数えて数名程度の参加とか、ひどい時はゼロだけど、
鯖江の場合は「しっかり月単位で住んで貰いたい」って意向の上で実現しているから凄いのだ。

つまり全国の傾向としては「よっぽどうまくやらないと誰も来ない」くらい悲惨な状況で、
鯖江市は、その状況を覆して人口増をもたらせるという英雄的活躍をしたわけです。

それを「やっぱ若い夫婦じゃなきゃやだなー」とか無いものねだりをしても、
そんなまちには、若い夫婦も、そうじゃない人も定着しないので、いずれ消滅するでしょう。

ちなみに「地域おこしを積極的にやる若者が欲しい」ってのも同じよ。絵に描いた餅。
自分ちの子供が働かないで地域おこししてたら嫌なんでしょ?
だからよその子供に地域おこしさせて、うちの子だけは大企業に入れたいんでしょ?

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とまあ愚痴ったけど、個人レベルの意識って、そんなもんだと思うんです。

世間は不況だって騒いでるけど、僕はサラリーマンを続けられるだろう、とか、
市が人口減対策で頑張ってるのは知ってるけど、うちの隣には若い夫婦が来るだろう、とか。

危機感が無いわけじゃなくて、自分だけが特別って意識なんだよね。
だからこそ、リストラに遭って「自分は特別ではなかった」事が確定すると、対応できない。
ましてや普段「クビになる奴は馬鹿だ」みたいに自己肯定を主張してたりするから、
自分の新しい境遇を認めることさえも出来なかったりね。そうなった時には手遅れなんだけど。

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なんか鯖江に来て、「まちづくり」をしている人たちから、苛立ちをよく感じるの。
私はまちづくりが嫌いだ、と言ってみたり、新しい事をやろうとしたり。
それって、自分のやっている事から結果の手応えを得られなくて焦れてるように見える。

まちづくりを受ける側の人たちが、自分たちは特別だから大丈夫だと思っていて、
「自分たちを」盛り上げて貰う活動を必要としないんじゃなかろうか。

俯瞰して「少子化対策しなきゃ」「地域が衰退しないように誘致を」と言うと伝わるのに、
「もう一人産もう」とか「隣の空き家に移住者を入れよう」というのは嫌なのだ。

誰かが勝手に女を連れてきて孕ませればいいとでも思っているんだろうな。

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