ゆるい移住の労働事情

ニートと言いつつ、バイトとか手伝いとかをぼちぼちやってる感じ。

 ●

今日も「体験移住なんて最近どこでもやってるでしょ?」と言われたので、
トーシロー向けにわかりやすく説明してあげよう。

観光をさせるのが巷の体験移住。長期居住を体験させるのが、ゆるい移住です!
見知らぬ土地に一週間やそこら住んだだけで、永住の決断なんか出来っこないのよ!

 ●

いま、巷にある体験移住には、いくつかの種類があります。

一番薄いのは、観光レベルの体験移住です。
一~二泊の宿泊をして、地域行事を体験して、参加費を支払います。
「あの街に一回行ったことあるけど良かったから引っ越し先候補に加えよう」という程度の結果は得られます。

次に薄いのは、日雇いレベルの体験移住です。
農業や店舗経営などの事業を体験して、参加費を支払います。
「あの街で仕事をしよう、仕事をするにはどうしたらいいか考えよう」という程度の結果は得られます。

だいたいの自治体がやってる体験移住ってのは、ここまでのレベルです。

 ●

経済社会に沿って、もう少し内容を濃くするなら、
就職活動を前提とした体験移住が考えられます。
数泊ではなくもうちょっと期間を長めにとって、実際に就職活動や起業準備をするようなプランです。

ここまでくると、参加費を支払うというよりは、
たとえば職業訓練制度などの公的な支援を得ることができるかも知れません。
(地方にとっては就業者が増えることが見込めるからです)

だけど、就職をするのは、あくまで移民である個人です。そこに地域の都合はありません。
だから、個人の就職は、必ずしも地域社会の問題解決に繋がるものではないかも知れません。
たとえばインターネットで東京の会社の仕事をする、とかでも成立します。
(それでも、居住地で納税や消費をしてくれるんなら、まあ自治体にとっては取り組み甲斐はあるでしょう)

あるいは、職業斡旋を前提とした体験移住も考えられます。
たとえば農家を若者に手伝って欲しいので、就農を前提としたプランを立てるわけです。
これも、参加費を支払うというのではなく、労働力を確保するのが目的です。
公的な支援もありうるでしょう。
ところがこの場合は、地域の都合が優先なので、個人の都合はあまり考慮されていません。
高給取りになることは難しいし、田舎での生活も、
農家の望む形を押しつけられるだけの窮屈なものに見えるでしょう。

 ●

あるいは、多額の預金を持っている老夫婦を移住させて、お金を得るというプランもあります。
外国の永住権(のデポジット)などが、これに相当するでしょう。
金持ちなので、それなりの消費活動にも期待できるかも知れません。

 ●

ここまでをまとめると、

直接収入を得るための移住:
・観光体験(参加費)
・労働体験(参加費)
・老夫婦の永住(預金や消費活動)

長期的な利益を狙う移住:
・個人の就職を前提とした移住(経済力の増加)
・地域への就業を前提とした移住(労働人口の増加)

こんな感じ。

 ●

問題は、「就職したい」個人と、「就職させたい」地域の思惑が一致しないことだと思うのです。

極端に言うと「東京みたいにキラキラした仕事をして高給取りになりたい」という移民と、
「今やってる農家の地味な仕事を引き継いで欲しい」という地域の思惑が合わない。

だから、まずはお互いが自然かつ対等な関係でコミュニケーションをとる機会を与えてはどうだろうか。
というのが、ゆるい移住のレベル。
移住民を獲得するためにどうしたらいいかを、実際に人を集めてデータを取ってる段階。

そしてそれは、途中までは成功している。
俺たちは「働かなくてもいいよ」と言われたものの、
実際にはいろんな所に行って、いろんな仕事をすることになったの。

 ●

ここは少し重要なんだけど、仕事の体験は、
「やってください!」でもなく「やらせてください!」でもなく、
「こんなのあるんだよー」「面白そう!」「やってみる?」「うん!」って感じで始まってる。
たぶん若干「手伝って欲しいなあ」ってニュアンスが強いくらい。

俺らには働く動機が無くて、興味しかないから。
ふわっと、狙ってる所はあるけどね。
ものづくりに興味があるから河和田に行ってみた、という程度には。
でも、この店で働きたいからそこに行く! みたいな直接的なものではない。

ゴンさんが野菜くれたから、こっちも何かしたいな、と思って、山に登って獣害対策したり。
エマさんのベリーダンス見に行こうとしたら、
スタッフ足りてないんでやってくれないか、と言われたからやったり、
森さんがHana道場でバイト募集してたよ、っていうから行ってみたり。
ヤマカツ?は、やってみたい感が強そう。ご飯連れてってくれるからそれ目当てもあるかも。

金のために、一般的な経路で見つけた仕事は、精神的にはつまらないみたい。
人間をゴミ扱いする人がいるんだってさ。楽しそうな仕事なのに残念だね。

 ●

まあそういう意味では、俺らのやってる仕事は、
時給は安いけど、ギスギスもしない、ゆるい労働なんだと思うのよ。

生活費目当てでは無い、という意味で、本業的ではない。
望んだ通りの仕事だけど、これで生きていくには、ちょっと足りない。

ゆるい移住の食糧事情で書いたとおり、生活費を減らすことも、
歩み寄りというかサバイバルというか、ここで暮らす可能性を高める一環になっている。

でも、家賃無料が終わるなら、もうちょっとお金が必要になってしまう。
そこは、移住者も、地域の人も、まだまだ模索していかなければならないんだと思う。

というのが、いままでの、ゆるい移住の労働の実態だと思ってます。

PageTop