10月16日 晴れ

一杯の珈琲の話。


 ◆

鯖江に来てから、食べ過ぎないように食事制限を心がけている。

実家の食事の量は、平均的な食事に比べて異様に多いのだ。
それが当たり前になってしまっているので、空腹感がひどい。

移住をはじめて数日は、身体に力が入らなくて大変だった。
だいたい今までの能力の3割くらいしか発揮できない感じ。
物覚えが極端に悪くなったので、付箋で自己管理を始めたりした。

でも最近は、一般量の食生活に慣れてきた気がする。
能力で言えば、5割くらいは出てる感じかな。これで十分だ。

とはいえ、仕事やら何やらでパワーを使うと、間食が増える。
部屋にあったおつまみとか魚肉ソーセージとかも食べてしまった。

脳にパワーを渡すためだけに食べてるのだから非効率この上ない。
糖分やアルコールよりも、カフェインのほうが適任そうだけど、
ここにはモンスターエナジーも無ければ、珈琲も無い。

それで、珈琲飲みたいね、という話を同居人としていた所だった。

 ◆

8時半起床。

毎回起床と書いてるけど、目が覚めて最初にすることは、
布団の中でパソコンを開いて、ニュースや通知を読むことだ。
だいたい小一時間も情報収集と処理をすると、身体が起きてくる。
それでやっと、布団から這い出て活動を始める感じ。
仕事をするなら、そのままデスクに向かって結局パソコンなんだけど。

身体が起きたのは12時であった。
aikoの「二人」を聴きながら、おしゃべりに興じていたのだ。

今日も実にいい天気だ。
朝食は牛乳を買ってきて貰ってたのでフルグラにした。
昼食は、昨晩の余りの煮物に、サラダを作って貰った。

その後は久々の旅行計画を立てた。
鯖江自体が旅行感覚だったけど、やっぱり旅行は良いな。
あるいはそろそろ、鯖江が非日常から新しい日常になっているのかも。
昨晩語ってたのも、本格移住の話だったしな。

食後だからか猛烈な眠気がやってきて、長々と昼寝してしまった。
起きたら夜。穏やかな金曜日の午後は、一瞬で通り過ぎていった。

夕食も昼と同じ。合理的な食生活だと思う。
食べてばっかりで申し訳ないけど、一応費用は負担している。
このやり方が正解かどうかはわからないけど、
一方的にお世話になるような関係よりはギスギスしないだろう。

 ◆

今日は「考える技術・書く技術」という本を読んだ。
今までとうってかわって、真面目な本だ。頭の中が整理出来る。

さっそく賢くなった頭で、自分の諸問題を整理してみたくなった。
しかし、脳に栄養が足りないので、どうにも思考がうまく回らない。

そういえば今朝、女子が同居人に珈琲をプレゼントした、
という話をしていた事を思い出した。
俺さんも飲んで下さいみたいな事を言って貰ってたので、
同居人に珈琲が飲みたいと告げると、恐る恐る淹れてくれた。
あれは、ゆっくり淹れないといけないもんなのかしら?

久々の珈琲の味はよくわからなかった。美味しいとは思うんだけど。
それで、そもそも最近珈琲を飲んでいない事に気づいた。

俺にとって珈琲とは、東京の味がするものだ。
都会の喧噪に疲れると、いつも珈琲屋に籠もって、
ブルーマウンテンとか、よくわからないけど高いやつを飲んでいた。
都会で静寂を買いたい時は、高い店に入ればいい。
珈琲一杯1300円の店には、騒々しい人は来ないから。

いい気持ちになって、頭もスッキリしたところで、
内容が難しくなった本の後半部分を読みながらパソコンに向かっていると、
珈琲を淹れてくれた同居人が野菜ジュースを飲んでいた。

あれ、別に、自分が飲むついでに淹れてくれれば良かったんだけど・・・。
もともと一杯分しか無かったんだろうか。
それを奪って、しかも作らせて、一人で楽しんでる俺って何なんだw

こうして、aikoちゃんのささやかな復讐は、果たされたのであった。

きっとあれは、いろんな人の思いが詰まった、複雑な一杯だったんだな。
ごちそうさまでした。

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