秀丸

超有名な「秀丸エディタ」を作った方は、鯖江に住んでいる。

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実は鯖江観光の折に、「秀丸」製品を作っているサイトー企画さんの建物を見に行った。
で、中には入らずに帰ってきた。
撮った写真も、公開するのは憚られた。

あらためて、公式サイトの会社概要を見ると、きちんと説明が書かれていた。

サイトーバンキン社宅ビルに引っ越しました。
社宅の部屋が1つ空いたので、そこに入ることにしました。

社宅がオフィスなのね・・・。
というわけで、気軽に会社訪問が出来そうなムードでは無かったので遠慮したのでした。

念のため調べたけど、「サイトーバンキン」という会社も、
別に秀丸の作者さんが経営してるみたいな事は無くて、間借りしてるだけだと思う。

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秀丸というのはパソコンのソフトで、最初から入っている「メモ帳」の凄い版である。
Windows専用で、Mac版は無い。

文字の配置や装飾を綺麗にするという方向に凄くなったのがワープロソフトで、
プログラミングをしたり、文章自体を書き進める方向に凄くなったのがテキストエディタなのだ。

秀丸は、1990年代後半を代表するテキストエディタだと思う。
ピーク時の売上は、年間一億五千万円だとか。

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秀丸は4000円(税込4320円)のシェアウェアである。
一度買うとバージョンアップは無償で出来て、メールソフトの利用も出来るらしい。

この代金は、学生さんや、フリーソフトを公開している方は、免除される。
起動時に出てくる、支払いを促す画面では、
「支払う気があるが、まだ支払っていない」を選択すると、その場では使い続けさせてくれる。

さらに、この催促自体を無くす裏技(?)も広まっている。
この部分こそがユニークで面白いのだけど、あえてここでは書かない。
噂によると、ライセンス管理はあまり厳密にしていなくて、
お金を払った方にも、あのまんまのあれを発行しているのだとか。ゆるいw

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格好良く言うと、フリーミアムモデルの先取りなのだと思う。

当時は無料ソフトなんてのは流行って無くて、聖人がやる無償奉仕みたいな感じだった。
秀丸の値段も、高いって位置づけじゃなくて、パッケージものより安いという価格設定だ。
そんな中で、出来るだけ使ってくれる人を広めたいけど、お金も回収したい。
じゃあどうするか、という中で出来たバランスが、アレなんだと思う。

パソコンに詳しくなる段階で、裏技みたいなのにかぶれる時期を誰もが通過したわけだけど、
「秀丸って、こんなアレすれば、支払いの催促を無くせるんだぜ」とか物知り顔で使って、
そのうちだんだん秀丸自体が手放せなくなり、精神的に大人になったところで、
「散々世話になったから、まあカネぐらい払ってやるか」と送金するような感じ。

「個人無料、商用有料」というライセンス形態とも、暗に互換性があると思う。
会社で使うソフトの支払いを裏技で誤魔化してる、なんてのはマズイからね。

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まあでも実際は、たまたま使う人が多かったってだけで、商売っ気なさ過ぎるんだよな。
そんだけ儲けて何してるかといったら「畑仕事してる」とか言ってるらしいしw

昨日の観光評価の記事で気がついた人が居れば目ざといのだけど、
(というか、このブログ、しおりんしか読んでない可能性があるな・・・)
実は鯖江でカネ取ってる観光スポットって「まなびの館」の100円だけなのだ。

一晩かかるほど観光資源が豊富なわけじゃないから、ホテルが儲かるってこともないし、
きちんとご当地グルメとして主張できてるのはサバエドッグだけな気がする。
つつじバスだって、一回100円だよ? 税金で動いてるようにしか見えないわ。
観光客からは、もっと取っていい。そのかわり観光バスを作るとかさ。

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話を戻すけど、秀丸だって、もっと儲けるネタを広げられたと思うんだよ。
そしたら今頃、鯖江には、秀丸ミュージアムが出来てたかも知れないよ。

やる気が無くてほったらかしてるとかじゃなくて、
ソフト自体は結構頻繁に更新してるのよ。バージョンアップ無料なのに。

なんかそういう所が、鯖江人の本性のような気がして。
市長とか超頑張ってPR活動してるけど、
ほんとは引っ込み思案で人見知りだけど優しい人たちの街なんじゃないかって思う。

そう考えると、頑張って明るく振る舞っていい子ちゃんしてるしおりんとか、
ブログが衆目に晒されるのが怖くてコソコソやってる俺とかって、
失礼かも知れないけど、鯖江のかたと根の部分は一緒なのかも知れないな。

と、思った時に、はじめて、(永住するかまではわかんないけど)
「鯖江は自分の心のふるさとになりうるかも知れないな」と思ったのでした。

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